まだ、風は冷たいですが、ときおり日差しが温かく感じられるようになってきました。
2020年3月4日に震災後初めて町内の一部区域の避難指示解除と特定復興再生拠点全域の立入規制が緩和されてから、今日で丸一年。
この一年は、なんと言っても、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急事態宣言が発令され、移動・外出の自粛、店舗の営業時間短縮、イベント開催の制限、テレワークの推奨などなど世界中で日常生活が大きく変化した一年となりました。
そのような中、双葉町は2020年3月4日に復興のスタートを切り、町が大きく変化した一年に。
私たち、ふたばプロジェクト(以下「FPJ」)の活動も交えて、この一年の町内での出来事を振り返ってみました。
本当の意味で双葉町が復興のスタートを切った日。
午前0時のゲート撤去を見守る多くの報道陣に紛れて、FPJの石上事務局長も熱い眼差しでその瞬間を見守りました。
インターチェンジ供用開始により町民の避難先から双葉町への移動も少し便利に。
町内の復旧・復興作業の加速にもつながっています。
この日、双葉駅のホームは人で埋め尽くされ、多くの人が双葉町を応援してくださっていることを改めて実感しました。
(この日予定していたFPJ主催「ふたば、ふたたび☆ファンダフルフェスタ」は新型コロナウイルス感染拡大の影響により止むを得ず延期に。)
双葉町の地で働ける喜びを感じながら、日々業務を行っています。
「被災地のことを知りたい」「電車が好き」「仕事の休憩に」「懐かしい駅を見に」
旧双葉駅舎へ訪れる方の想いは様々。そんな皆さんに双葉町の情報をお届けしています。
双葉町の復興のシンボルとして整備が進んでいます。現在建設中の長塚跨線橋(国道6号線西側)が完成すれば、常磐双葉インターチェンジから伝承館のある中野地区へのアクセスがよりスムースになります。
震災後初めて町内にオープンした小売店。
「生まれ育った故郷への恩返し」そんな思いを込めて営業されています。建設関連資材の他、双葉ダルマも店頭に並んでいます。
「絵を描くことで、町にたくさんの人が訪れて賑わいを取り戻すきっかけになれば」ということでスタートしたプロジェクト。これまでに第4弾までのアートが完成。双葉町の新たな観光スポットとなっています。
この2つの施設がオープンしたことで、学生さんや双葉町に所縁が無い方など、色々な方が町を訪れるくださるようになりました。
シェアサイクルを利用すれば、まだ住民がいない町内の空気を肌で感じながら震災の爪痕を見ることもできます。
双葉駅東口から双葉町産業交流センター間を走るシャトルバス。電車の時間にあわせて1日15往復以上、運行されています。
車両には、双葉ダルマさんや町内の施設などが描かれており、ついつい目で追ってしまいます。
震災前まで人生の節目に多くの方が訪れていた神社。震災で社殿が傾いてしまいましたが、改修が終わり、宮司と一緒に避難していた御神体も社殿へ戻されました。
地域の人によって守られ、地域の人の心の拠り所となっていた神社の歴史がこれからもつながっていきます。
「更地が広がっていく町内に少しでも彩りを添え、町を訪れた方に明るい印象を持ってもらいたい」という想いから、双葉駅前に花植えを行いました。今後、この活動を町内全体へ広げ、花の手入れを通して、町と人、人と人とのつながりを深めていきたいと考えています。
新型コロナウイルスの影響で伝統行事「ダルマ市」の形を変え、ダルマ販売と巨大ダルマ引き合戦が双葉町内で開催されました。
ダルマ引き合戦は間隔を十分にとって行われましたが、勢いは例年に劣らず、会場全体が賑わいを見せました。
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以上、町内での大きな出来事を抜粋して振り返りました。
他にも、復興事業に関わる起工式や昨年度から引き続き野菜の試験栽培が行われたり、七夕飾りが駅に飾られたりと、毎日、旧双葉駅舎で仕事をしながら、町内に人の動きが戻り始めていることを実感できる一年でした。
来年の3月4日、双葉町は住民の帰還を目前に控え、どのような変化を遂げているのでしょうか。
震災から間もなく10年となりますが、これからも双葉町が少しずつ前に進んでいる様子をお伝えしていきますので、ご支援、ご協力いただければ幸いです。これからもよろしくお願いいたします。