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忘れかけていた記憶と35年ぶりの再会 タイムカプセル掘り起こし支援

11月22日(金)、双葉町立北小学校昭和58年度卒業生が埋めたタイムカプセルの掘り起こしイベントが行われました。

 発起人となったのはこのタイムカプセルを埋めた卒業生の一人、福田さん。福田さんを含む同窓生のほとんどがタイムカプセルを埋めたことを忘れていたそうですが、今年5月の「広報ふたば」に掲載されたタイムカプセル調査記事を見て、福田さんへ同窓生から連絡が入りました。

「そういえばタイムカプセル埋めたよね」
この言葉をきっかけに、プロジェクトはスタートしました。

 掘り起こし当日は福島県内外から8人の同窓生が集まりました。
中にははるばる京都や埼玉から帰省した方も。

「(今は双葉町に住民票がなくて)こんなことがないと双葉には入れないから」
立入り前の表情からは久しぶりの帰省を楽しみにしている様子がうかがえました。

 双葉町内で待ち合わせし、みんなで乗り合わせて北小学校へ。
久しぶりの再会となった同窓生同士、車内では話が尽きなかったに違いありません。

 北小の坂を上って体育館の前に行くと、木陰に「希望」と書かれた石碑がありました。
この下にタイムカプセルが埋まっています。

 みんなで、近況報告や小学生当時の思い出話をしながら、スコップで穴を掘ること約30分。約1mの深さにあったタイムカプセルを発見しました。

実に35年ぶりの再会。
壺を取り出し、蓋を開けると・・・
・大人になったら飲もうと約束したワインやウイスキー
・埋めた日付(1984年3月19日付)の新聞
・健康カード
・版画
・豆テスト
・寄せ書き
・合唱や将来の夢などが録音されたカセットテープ
たくさんの思い出たちが顔を出しました。

「12歳の私はテープに何を話したんだろう」
「(同窓会の時に)先生からテスト返してもらおう」
掘り起こしに参加した卒業生も同窓会を楽しみにしている様子がうかがえました。

 そして迎えた同窓会・タイムカプセル開封セレモニー当日。
積もり積もった話は尽きることなく、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
当日の様子は写真でご覧ください。

 今回のタイムカプセル掘り起こし企画は、帰還困難区域内で実施するためには特有の課題があり、ふたばプロジェクトも実施に向けてサポートさせていただきました。事前の学校敷地内の草刈りや当日の立入り申請、線量計の準備、タイムカプセルの線量測定など、東京電力ホールディングス復興推進室の方々をはじめ多くの方のご協力をいただきながら、一つひとつの壁を突破して実施できたこと、卒業生のみなさんがふるさとに思いを馳せて、ふるさとの温かさを感じてくれたことは、私たちにとって励みになることでした。

他にもタイムカプセルを埋めたとの情報が入ってきており、ふたばプロジェクトでは今後も掘り起こしのサポートを継続していく予定です。


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